#30日ブログチャレンジ 5日目
今日の #ターミナル月曜 では「忘れられない、あの味」についてメッセージを募りました。毎日何かを食べて生きているから、それぞれ思い出があり、とっても興味深いテーマでした。いつも様々な形で参加してくださり、ありがとうございます。
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忘れられない味。ひとつ思い出すと、ぽつりぽつり、記憶がまるで紐が切れた真珠のネックレスのように手のひらに落ちてくる。そこで一番古い記憶を辿ってみることにした。
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私の一番古い”衝撃的な美味しさ”の記憶は台湾茶から始まっている。母に連れられて訪ねた台湾出身の書道家(?)の先生のお家。いや、お家にしては随分と白かったからアトリエだったのかもしれない。そこで台湾式のお茶を淹れてくれたのだ。とても小さな茶器がのったお盆のような台にお湯をかけていく・・・とっても不思議でエキゾチックだった。
少し話はそれるが、幼い頃の私にとって中国や韓国の文化はとても異国情緒を感じるものだったのだ。和の文化にはなんの疑問も違和感もなく、自分の中ではヨーロッパ(ドイツ)の文化と日本の文化は完全に融合していたし、形は違うことがあっても同じものだった。
さて、お茶だ。4歳になるかならないかの子供にはパフォーマンスとして「はい、エリナもどうぞ」と渡してくれたに過ぎない。がしかし、そのお茶の魅力にその場にいた誰よりもハマってしまったのだ。
もう一回飲みたい!とお茶が出なくなるまでリクエストしたという。なんという茶葉だったのか、もちろん知る由もないのだが、きっと高級なものだったに違いない。澄んだ翡翠色が美しく、清涼感のある凛としたお茶だった。
エリナは不思議な子だねぇと言いながら、先生は何回も何回も優しくお茶を淹れてくれた。不思議な子という表現だったかもよく覚えていないが、珍しがっているのだけはよく覚えている。
どうも私は液体に弱いようなのだ。
今日の放送で話した「忘れられない味」も懐石料理の最後に出されたお澄ましだった。祖母の米寿のお祝いで石川県能登が誇る「加賀屋」の銀座支店で昼懐石を頂いた時だったのだが、贅沢な料理が7品か8品出された後の締めに出てきたものだから「絶対入らない」と決め込んでいたのに・・・あまりの美味しさに他のものの記憶が全部吹き飛んでしまった。黒い漆の器に入った濁りのないお澄まし。香りはそれほど強くなく、生姜少し効いていたか・・・無駄なものがひとつもない、水のようとでも言えば良いのか、シンプルだった。逆にそれが衝撃的だったのかもしれない。いまだにあれを超えるお澄ましにでは出会えていない・・・。
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以上、忘れられない味。
今日は何にしよう・・・こういう番組のテーマについて書くというのはずるいかもしれないけど、実に多くのインスピレーションを得られるので今後も活用しようと思います(笑)
まだ全部記録できてないけど・・・