#blacklivesmatter の主役は誰なのか?

ジョージ・フロイドさんの命が1人の警察官によって奪われたというニュースは、世界中の人々へインパクトを与え、その後多くのムーブメントが伝わってきました。著名人やアーティスト、一部の大企業も反応しています。また、SNS上でも#blackouttuesdayのハッシュタグをつけて真っ黒な画面を投稿するなど、多くの人がアクションを起こしています。

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ベルリン州議会にも動きが?!

そんな中、以前から構想自体はあったものの、今回の事件は少なからず影響しているだろうと思われる動きが、アメリカから遠く離れたドイツにもありました。rbb24.de(ベルリンのラジオ局)が報じるところによると、ドイツ・ベルリン州議会与党はLandesantidiskriminierungsgesetz =「(州レベルの)反差別法」を導入することを検討しています。

詳しいことは割愛させていただきますが、簡単にいうと、主に警察や役所が偏見によって行動(例えば、名前だけで判断して対応を変えたり、申請書類の処理を後回しにする等。残念ながらこういうことは少なからずあります。)しないように取り締まる法です。現状は、差別を受けたと感じた側が訴えるシステムなので、つまり、その受け手側にエネルギーや時間というコストがかかる上に、リテラシーもなくては訴えようもない。しかし、反対派の指摘もまた的を射ている部分があり・・・

”ベルリンはミネアポリスではない”というタイトルにもあるように、さもそれが必要かのような印象を与えかねないが警察官による差別的暴行が日常ではないし(統計などあればと思ったのですが、すぐにはみつからず;)、また、ベルリン州でその法律が施行されることになったら他州からの応援が見込めなくなるという懸念もあるといいます。

この記事ではこれくらいに留めておきます。また何かわかったら追記するかもしれません。

Yes, but…? 正しいはずなのに、なぜ?

私はというと、おそらく、多くの人と同じようにその理不尽さに怒りを覚え、弟さんの演説に思わず涙を流してしまいました、が・・・実は・・・何かが引っかかってモヤモヤしていたのです。ひとつひとつのアクションには意味を感じているのに、一連の流れに感じているこの感情は何だろう?どうしてだろう?喉の引っかかった小骨のような心地悪さを感じていたのです。些細なことかもしれませんが、最近はそういった自分の中で感じている違和感を無視しないようにしています。いつも通り、仮説をたててみました。

当事者意識が足りないから?

人生の81%を外国人として生きてきましたが、差別という差別を受けたことがありません。ゼロじゃないけどカウントするほどでもない、というレベル。デュッセルドルフという日本人慣れしている街の中でも上品なエリアの学校に通っていたので、恵まれた環境にいたのでしょう。

ベルリンでは外国人局の対応に辟易したのと、やたらアジア人女性が好きな男性に一方的に口説かれて気持ち悪かったくらい・・・でも、それも差別とは違います。

ドイツ社会の一員であるという実感もあったし、自分の故郷であるという気持ちは今でも変わっていません。でも、私はドイツ人ではない。どこか距離があるというと変な言い方ですが、どこまでいっても外国人。母国を守ってくれるはずの警官に命を奪われるという絶望感が分かるわけはない・・・

とはいえ、わかりっこないで片付けて良いのか?!思考停止ではないのか?というか、同じように理解できるはずがないのは、いくら考えたって考えなくたって変わらないので、どうでもいいことなんです。

経験したことがあってもなくても、おかしい!理不尽だ!と感じる心。それで十分なはず。

ファッションっぽいから?

みんながそれを話題にすると急激に嫌になる、いわゆる天邪鬼だから?!私ってそうなんだっけ?(笑)いや、頑固だけど、新しいものには素直なのでそういうことではなさそう・・・。

この世の中に差別されて良い人がいるわけがない。本当にそうだと思う。All lives matter… でも、どうして、しっくりこないのかなぁ?

主役を勝手に代えないで

そんなところで、偶然ビリー・アイリッシュの長文コメントを紹介している、この記事を読みました。

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あと1回でも白人たちが『All Lives Matter(すべての命に価値がる)』と言っているのを耳にしたら、頭がおかしくなりそう。マジでお願いだから黙っててくれる???誰もあんたら(白人)の命に価値がないなんて言ってない。誰もあんたらの人生が大変じゃないなんて言ってない。ていうか、そもそも誰もあんたらの話なんかしてない。あんたらはただ自分たちの都合の良いように話をすり替えて、便乗してるだけ。これはあんたらの問題じゃない。だから、何でもかんでも自分たちの話題に持っていこうとするのはやめて。

なんというか、気持ちがとても楽になったのです。ああ、この違和感は私だけじゃなかったんだ、と。

#blacklivesmatter は、建国から250年弱、奴隷解放宣言から[yago from=”1863/01/01″]年たった今でも日常的に差別が存在し、同じ国の国民の命が警官によって奪われている=アフリカ系というだけで軽んじられているという事実と改めて向き合うムーブメントだと理解しています。

根深い問題で、決して簡単なことではない。今までのやり方じゃ変わらなかった。でも、だからこそ、変えようとアクションを起こすことはとても尊いです。そして、続けなくてはいけません。

私の中で引っかかっていたモヤモヤは、そこに便乗している(ように私が勝手に感じている)一部のムーブメントや発言なんだと思います。もう少し正確に言えば、それ自体は良いのです。どんな命だって価値があるし、どんな趣味嗜好の人も誰かの主観で否定されて良い理由なんてどこにもありません。他にも差別されている人やグループがたくさんいることは事実です。

でも、それと、これは、別問題じゃない?

共通点はあるかもしれないけども、今、同じ場所で語るべきことなの?人の関心を自分に向けさせて、結果的に主役をすりかえてしまっているようで、リスペクトにいささか欠けるし、少なくとも私はあまり好きじゃない。あなたがスポットライトを浴びる舞台は別の場所にある。

(※間違っているとは言いません。ただ、自分の考え方と合わないなと感じるのです。少し話はずれますが、木村花さんが亡くなったことを受けて、一部のインフルエンサーがいかに誹謗中傷が芸能人を傷付けるのか、そして”自分が”いかに辛い思いをしているのか・乗り越えてきたのか語り始めた時に感じたものと似ています。話している内容がというより、故人へ馳せる想いよりも自分のことを前面に出しすぎているような、そんな印象を受けたのです。)

#blacklivesmatterの主役は、アフリカ系アメリカ人であり続けるべきです。私には肌感覚ではわからない部分もあるし、できることってとても限られているけど、それを忘れないことなのでは・・・?このムーブメントが、何かを変えるきっかけになったら歴史的だし、そうなったら良いなと願うばかり。(今後の投票率とかどう変わるかな?)

追記

この一連のツイートもとてもわかりやすかったです。#AsiansForBlackLives という動きもあるのね。こういうのは好き。

アメリカの中のアジア人と、ドイツのアジア人の状況、似ている部分があるなぁと思ったり。

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この記事を書いた人

ドイツ生まれ・育ちのラジオパーソナリティー ・マルチリンガルMC ・通訳。27歳で日本に移住。現在TOKYO FM・JFN・NHK Eテレ(「旅するためのドイツ語」)にレギュラー出演中。

今までに勉強した言語は、日本語・ドイツ語・英語・ラテン語・フランス語・スペイン語・韓国語・中国語の8ヶ国語。

ペンギン・猫・映画 ・DIY・どら焼きが好き。

FM BIRD所属。

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