アルピニスト野口健さんが、地球を舞台に第一線で活躍するフロントランナーをゲストに迎えてのトークセッション。毎回ゲストとの化学反応が楽しみなイベントです。昨年に引き続きイベントMCを拝命しました!トークショーの様子を映像におさめたビデオポッドキャストをコチラからご覧いただけます。(無料)
今年のゲストは、芸人であり、ソロキャンプしている様子を投稿した動画が人気を集め、「ヒロシちゃんねる」登録者数は現在114万人というYouTuberでもあるヒロシさん。更に昨年はキャンプブランドNo.164を立ち上げ、活動は多岐に渡ります。
初対面のお二人。それぞれ寡黙なイメージをお持ちだったようですが、思っていたよりもよく喋る!とお互いに仰ってました(笑)蓋を開けてみると共通の話題がどんどん出てきてトークは止まらないし、実は性格も似ているところがあるのでは…?と感じる瞬間も…!
ふたりの共通点「妄想」「自然の中」
何かを成し遂げるために必要なこと、お二人が口を揃えて仰ってたのが「妄想」でした。これが実現したらなりたい自分に、理想の世界に、一歩近付けるに違いないと信じながら、淡々と妄想し続ける。そして、行動に移す。
「これやります!」「こんなことやりたいです!」と宣言をして、活動の輪を広げていく”有言実行”の野口健さん。芽が出るまではひっそりと始める”無言実行”のヒロシさん。アプローチこそ違えど、どうやったら達成するまで続けられるかにフォーカスしていて、向いている方向は同じ。諦めない性格とのことですが、そういう意味でも根っこの部分が似ているように感じました。
そして、自然の中に自分をみつけているという点もやはり共通していましたね。中でも話し足りなさそうだったのが焚き火トーク!今や、自分の山でも所有しない限りできないんだそうです(知らなかった!)。火を見つめている時間の愛おしさ、そして、雨の日をテントの中で過ごすのも良いよね、などなど・・・。私はガールズスカウト時代、雨のキャンプでは延々とナメクジをテントの外に放り投げた記憶しかありません(笑)触るのは抵抗ないのですが楽しくはなかった・・・読書も全然進まなかったよー・・・と思いながら、リベンジしたい気持ちも沸々と。
もうひとつ、私の中で気付きだったのは・・・やりたいことをどんどん形にしていく努力を惜しまないお二人でも、無理をしないことも徹底しているなぁ、というところ。自分の中の限界点をよく把握されているというか、自然の力に逆らわないというか・・・それも自分らしく生きていくコツなのかもしれません。
ヒロシさんの本を読んで
今回、ゲストとしてお迎えするにあたり、ヒロシさんの本を2冊「働き方1.9 君もすきなことだけして生きていける」「ひとりで生きていく」を読んでみました。
働き方1.9 君も好きことだけして生きていける
テレビというメディアから距離を置き、大好きなソロキャンプをしながら成功したヒロシさんが、これからの生き方・働き方を4つの図解と30のフレーズで紐解いています。トークショーでも繰り返し仰ってたことにも繋がってくると思いますが、色んな妄想をして、好きなことや面白そうだなと思うことをとりあえずやってみて(”種を蒔いて”)、芽が出たらそれを伸ばせば良いというスタンス。無理する必要もないし、やるもやらないも全部自分で決める(”決定権を握る”)し、インターネット時代ならそれが可能だよ、と優しく背中を押してくれるような一冊でした。「ヒロシです」で大ブレイクした後、クライアントに求められることに応えるのが苦痛で蝕まれていった経験は、スケールは違うものの、多くの人が共感できる気持ちなはず。
そんな中でも私が一番ドキッとしたのは、この箇所。好きと得意の幸せ相関図、とも言えるかもしれません。
しかし、結論からいえば、その対象を本当に好きでないなら、やはり長続きはしないというのが僕の考えだ。(…)また、中には「得意である」そのこと自体は好きだが、その理由がその対象を好きだからというより、得意なことを披露することで周りの人に褒められるのが快感である場合もあるだろう。(…)これなども挫折しやすい。なぜなら、そのような人は、要は他人から評価されるのが好きなだけで、評価されない時には挫けやすいからだ。コツコツとやり続けるには、やっぱり「ただ好きである」しかない。下手の横好きこそ正解なのだ。
働き方1.9 君も好きことだけして生きていける p.161−162
自分に当てはめてみると・・・どうしても、ものすごい努力をしなくても人よりもちょっとだけ得意なこと、得意な人が比較的少ないから褒められること、両親が喜んでくれること、世間的にニーズがありそうに見えるものなど・・・そっちに舵を切ってしまうところがあります。それ自体は悪いことじゃないし、むしろキッカケってそんな感じだったりするのでしょうけど、「評価されるから好きなのだと自覚していない状態」に気がついていない時の危うさってすごくあると思うんですね。わかっているのと、わかっていないのとでは、全然違う。
あと、これも・・・激しく同意。
よくインタビューで「そのホストの辛い経験があって今のキャラクターがあるのですね」「ホストやっていなかったら、成功はなかった?」と聞かれるのですが、そんなもの何の役にも立っていない。人生には経験しなくていいことがある。
働き方1.9 君も好きことだけして生きていける p.80−81
人生に無駄なことはないとは言いますが(それもまた真実だと思っていますが)、それでも耐え難いほど辛い経験なんてしなくて済むならそれに越したことはないでしょう。普通に生きているだけで、誰しもが悩み憂い、もがきながら乗り越えているのだから、それだけでも十分です。例えば、私自身はいわゆる日系二世として育ったわけですが、それに伴うアイデンティティークライシスやバイリンガルにならなくちゃ病などは経験しなくて良いのならそっちの方が良い、と本気で思っています(笑)また、これは個人的な見解ですが、生きてきた時代も環境も違う若い世代に「自分たちの時は・・・」と苦労自慢をしたり、同じ苦しみを押し付けようとするパワハラまがいな話がなくならないことを思うと、全ての経験が人生を彩るわけじゃないよなぁ・・・としみじみ感じるのです・・・。
ひとりで生きていく
50歳の誕生日を目前にヒロシさんが「中年独身男の等身大の姿と言葉を恥ずかしげもなく晒し、本心を記した」という一冊。無駄な敵は作らず、自分が穏やかでいられる環境に身を置き(その為には逃げることも大正解)、他人に期待をせずに淡々と好きなことをやる・・・構成は似ていますが、働き方1.9はどちらかというとよりビジネス本要素が強く、こちらはもっとエッセイに近いというか、肩の力を抜いて”イージー”に読めました。大笑いしたのもこっち!
理想の死に方として、親しい人に看取られながら死んでいく、というイメージを思い浮かべる人も多いはずだ。(…)しかし、僕が嫌なのは、まさにこういう死に方なのだ。なぜなら、僕が今死のうとしているときに、事情を知らない小さい孫がはしゃいで走り回っているのをみたら、きっとへこんでしまうに違いない。「俺はこれから死ぬんだぞ!」と怒鳴りつけてやりたくもなる。意識が遠のく中、息を引き取る寸前に、「アンパンマンやってるからテレビつけて!」という孫の声を聞いたら、死ぬに死ねない。
ひとりで生きていく p.121
ヒロシさんらしい、ちょっとネガティブで、超具体的な妄想が爆裂していて思わず笑ってしまいました。さらにこのチャプターでは理想の最期が書かれているので、そちらは是非書籍を手に取っていただければ・・・私の口からはちょっと恥ずかしくて言えません(笑)それにしても、こうやって自分がどう生きていきたいのかをシミュレーションされているんだなぁ・・・私はなんにも考えてないなぁ・・・と振り返ったり、また、色んな妄想をする余白を担保するというのも大切で、それは2022年のマイテーマでもあるなぁと繋がりをみつけたり。強いていうなら、私自身は「ひとりで生きていく」の方が読後の余韻をより楽しでいたように思います。
書籍リンク
コスモ アースコンシャス アクトとは
2001年より、コスモさんとTOKYO FMをはじめとするJFN38局がパートナーシップを組んで、「アースコンシャス~地球を愛し、感じるこころ~」地球環境の保護と保全を全世界に向けて呼びかけていくプロジェクトとして展開しています。そして、この活動は大きく分けると、3つの柱があります。
1つ目は、ラジオ番組 「コスモ アースコンシャス アクト 未来へのタカラモノ」
毎週、月曜から金曜までの毎朝、放送しています。
2つ目は、全国各地で楽しく清掃活動をおこなう「クリーン・キャンペーン」
昨年度と今年度、残念ながら中止となってしまいましたが、早く再開できますように!
そして3つ目が「野口健 トークセッション」
毎年、初対面!というワクワク感がたまりません。こちらも、無観客ではなく、リスナーの皆さんをお招きして開催できるようになる日が早く戻ってくることを願ってます。