先日書いた「【ドイツ語】性転換(?)する名詞たちとその理由」では、なぜ一部の名詞が性転換を遂げるのかについて書きました。今回は、例えば日本語の言葉をドイツ語の会話の中で使う時は性別をどうやって決めるのかについて書いてみます。
富士山は山だから男性。味噌汁はスープだから女性。寿司はユニーク?
例えば、富士山を例に取ってみましょう。
私の個人的な感覚だと「der Fuji (Berg)」というのが最もポピュラーだと思います。次に「der Fuji-san」がよく見る表記だと思います。もしくは「der Fujiyama」は通向けな気がします(笑)
いずれにせよ、男性名詞であることには変わりません。何故ならば、山を意味する「Berg」が男性名詞だからです。ドイツ語の常用単語に含まれない外国の言葉においては、できるだけ直訳して、根本的にそれが何かで性別を決めます。
ここの仕組みを具体的に説明すると・・・
富士山(ふじやま・ふじさん) という山があるらしい
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どうやら、山の名前は「ふじ」で、後ろの「やま・さん」は山を意味する言葉らしい
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つまり固有名詞は「ふじ」だけ。「ふじやま・ふじさん」ドイツ語に直すとFuji Bergになる
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Berg(山の意味)は男性名詞だから、当然富士山も男性名詞!
味噌汁も同じです。「味噌+汁」という構造なら、味噌+Suppeと言えば伝わるので、Suppeの性別に合わせて、die Miso-Suppeという言い方が一般的です。
逆に寿司は分解できない単語なので、そのままSushiという言葉が定着し、外来語なので中性です。しかも、該当するものがドイツの文化にはないので性転換をすることもなく、今も昔もdas Sushiです。
こうやって元々の意味を辿って性別を決めるプロセスが、日本にその昔に漢字が渡って来て、訓読みを与えた時と似てるんじゃないかと思ったのです。
「山」という漢字があり、「やま」という意味で、中国語では「shān(サンに聞こえる)」と読む。しかし、それでは聞いただけでは意味をなさないから「やま」という読ませ方も与えたわけですから、根本的には同じ思考プロセスなのではないかなぁと思うのです。
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