ギュンドアン&エジル、エルドアン大統領を表敬訪問。ドイツサッカー連盟会長が批判

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今日、クロノスWIZでピックアップしたスポーツニュースです。

プレミアムリーグで活躍中で、トルコをルーツに持つ、ドイツ代表選手である、イルカイ・ギュンドアンメスト・エジルが、イギリスを訪問中のエルドアン大統領を表敬訪問し、その様子をエルドアン大統領の所属政党である公正発展党(AKP)がツイッターなどのSNSで公開したことから、両選手の行動がドイツメディアを始め、波紋を呼んでいます。(ドイツ語記事日本語記事

ギュンドアン選手も、エジル選手も共に先日のドイツ代表にも選ばれた、トッププレーヤーです。

ドイツ代表チームの名声が傷つけられた?!

この出来事の問題点は大きく分けて2つあります。

まず、ドイツにおけるエルドアン大統領の評価が、反政府運動への厳しい弾圧などを始め、「強権的・独裁的」であることが挙げられます。更に、6月に選挙を控えているという状況で、この写真を公開するのは、選挙キャンペーンであると批判されています。

また、ギュンドアン選手がエルドアン大統領に渡したと思われるユニフォームにトルコ語で「我が大統領へ 敬意を込めて」というメッセージを書いていたことが更なる批判の対象となっています。

ヴェルト紙のアンケート調査(ドイツ語)によると、年代を問わず半数以上の人が「二人の選手によって、ドイツ代表チームの名声に傷が付いた」と感じているそうです。

ドイツサッカー連盟が否定的コメント

ドイツサッカー連盟のグリンデル会長は、自身のツイッターで、「我々は、移民の背景を持つ選手たちの境遇は考慮しているが、しかし、サッカーとドイツサッカー連盟は、エルドアン氏が十分に配慮していない価値を支持している。したがって、我々の代表選手が彼の政治活動に利用されている状況は好ましくないし、ドイツ社会におけるインテグレーションを促進するものでもない(意訳)」と発言しました。

ギュンドアン選手の弁明

対して、ギュンドアン選手は「現在の両国の複雑な関係を考慮し、自分たちのSNSでは公開しなかった。」「しかし、我々の家族の祖国の大統領に対して無礼を働いて良いものだろうか?エルドアン大統領に対する批判は然るべきと理解しているが、しかし大統領という職務、そして我々のルーツであるトルコに対して – ドイツ国籍を有していても – 敬意を表明することにした(意訳)」(FAZ記事)と弁明しています。

アイデンティティーと国籍の不一致問題

両選手が該当するかは分かりませんが、ドイツ(外国)で育っているからこそ、逆にアイデンティティーとしてのトルコ人である意識が強いのかもしれません。出稼ぎ労働者としてドイツに渡ったものの、プロジェクトが終わってしまえば失業する人も多く、同時に貧困家庭とカテゴライズされるケースも多かったはずです。両選手の出身地であるゲルゼンキルヒェンも第二次世界大戦後に発展し、また衰退した典型的な工業都市です。

また、今よりも異文化・異宗教に対して世間の理解も進んでいなかった時代に差別を感じるシチュエーションは多かったはずです。その結果としてなのか、ドイツ在住のトルコ人は、選挙結果を見るに、どちらかと言えば保守的で、エルドアン大統領の支持者も多いのです。(選挙結果などに関して詳しくはこちらの記事などを参照のこと

国籍取得の条件を緩和させたり、外国人籍でもドイツ生まれなら子供手当が出たり、様々な施策を通して、社会的なインテグレーション・統合はかなり進んでいるドイツですが、日本も含め世界中で、こうしたアイデンティーと国籍の不一致はますます増えていくと思います。それが当たり前という時代も近いのかもしれません。その上で当事者が再認識・再自覚をして自らの行いを振り返らなければならないのかもしれません。改めてインテグレーションとか多文化共生ってなんだっけ?と思うニュースでした。

ちなみに、両選手が一連の出来事が原因で、ドイツ代表メンバーから外されるということはないようです。

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