#19 映画レビュー:「シェフ 三つ星フードトラック始めました」

映画

今日ご紹介する映画は、2014年にアメリカで、2015年に日本公開された「アイアンマン」のジョン・ファヴロー監督の『シェフ 三つ星レストラン始めました』です。元気が出るし、グルメ映画が好きな方にもおすすめです♬見終わってからは幸福感に包まれるので夜寝る前に見るのにも良いと思います^^

ドイツ語タイトルはなぜか「Kiss the Cook – So schmeckt das Leben!(意訳:コックにキスを〜人生の味)」ちなみに、シェフという言葉は、ドイツ語だと「上司」という意味合いが強いので単体では使いません。料理長のことは「Chefkoch」と言います。Kochは料理人の意。

 

 

超大作にはないヒューマンドラマ

元々はファヴロー監督が昔から温めていた案を基にした作品だそうで、人間味に溢れた、仕事に魂を捧げ過ぎて行き詰まっている中年男の成長物語としても面白いし、10歳の息子と心を通わせていくファミリードラマとしても楽しめるし、とにかく出てくるサンドイッチが美味しそうでそれだけでも見応えありです(笑)

とはいえ、監督は脚本も主演も全部本人がやってしまうというマルチタレントぶりを発揮しているし、店のオーナーはダスティン・ホフマン、店のマネージャー兼ソムリエ役にスカーレット・ヨハンソン、後半出てくるキャスパーの元妻の前夫がロバート・ダウニー・ジュニアなどなど、「アイアンマン」の監督だけあって俳優陣がめちゃくちゃ豪華。

あらすじ

主人公はLAの人気レストランで腕を振るう一流シェフのカール・キャスパー。カールは、大物料理評論家の来店に合わせ、新メニューで驚かせようとしたが、このことが発端でオーナーと対立し、結局オーナーの指示に従って”つまらない”定番メニューを提供し、それが酷評される。

リベンジしてやると宣戦布告するも、またもオーナーに口出しされて、やってられない!と感情的に辞めてしまいます。しかも、リベンジするから来いと呼び出された件の評論家を前に「お前に俺たちがどれだけ思いを込めて作っているのかわかるのか!」と怒鳴りつけてしまい、その様子がSNSで大炎上(笑)当然再就職先はありません。

しかも、家庭を顧みずに仕事一筋で生きてきたカールは独り身。元妻イネズとはとうに離婚していて、狭いアパートに一人暮らし。元妻と暮らす10歳の息子パーシーとは定期的に会ってはいるものの、どう接したら良いのかもわからない。

そんな元夫を見兼ねて、イネズは「マイアミに里帰りするのに付き合って。そして、私が仕事している間に子守をお願い^^」と、カールを旅行に連れ出します。そして、マイアミで食べたキューバサンドの美味しさに感動して、フードトラックで移動販売することを思い付く

そこから、お世辞にも綺麗とは言えないおんぼろトラックを改装して、息子と元同僚の料理人の三人によるロードムービーが始まります^^

印象的なところ

SNSがとても効果的に使われている

2014年の時点で、カールはTwitterというサービスの存在を全く知らず、登録したかと思えば、ダイレクトメールとリプライの違いも理解していない。だから、評論家のツイートに対して汚い言葉で罵ったリプライを本人しか読めないダイレクトメールだと勘違いしてしまう。仕事以外の事柄には無頓着だったのでしょう。

フードトラックを始めた時は、仕事もない、ただのおじさんになってしまいます。しかし、SNSで信用と職場(居場所)を失い翻弄されるも、また(息子のパーシーが駆使し、フードトラックを大成功に導いてくれた)SNSに助けられるという描き方をしています。つまり、使い方次第ということ。今の時代にも通じますよね。

父と息子の葛藤

一人でやるつもりだったフードトラックに息子のパーシーを連れていくようにイネズに提案されます。パーシーにとってもそれは寝耳に水なのですが、カールにとっても頭を悩ませる案件。なぜならば、これまでにも息子はパパの仕事に多少の興味を持っていて、職場に連れて行ってよ、とか、買い出しに一緒に行きたいと度々言っています。カールはそれを断ってきた。一流の料理人のプライドなのか、仕事には一切プライベートを持ち込みたくない。が、今はそんなことを言ってもいられない。自分の生き様を、背中を見せる決意をします。それをパーシーははじめ反発しながらも受け入れはじめ、素晴らしいチームになっていきます。

たくさんのレイヤーを持っている

この映画を一言でどんな映画なのか説明しづらいということは、それだけたくさんの要素が詰まっているということです。

自分の生き方に急に疑問を感じ始めるミッドライフクライシス真っ只中の中年男の成長物語でもあるし、父と息子のファミリードラマでもあり、人生の大切なことってなんだろう?自分の信条ってなんだろう?仕事と幸福の関係性とは?などと考えるヒューマンドラマでもあり、気持ちのいいサウンドに美味しそうなサンドイッチを楽しむロードムービーでもある。

どれも欠けていたら、この映画の良さは半減してしまうでしょう。押し付けがましくなく、テンポよく展開していくのもこの作品の良いところ。

おわりに

ノリノリのラテン・ミュージックでちょっとしたバカンス気分を味わうにも良いかもしれません。連休中に映画でも観たいけど、何にするかまだ迷っている方におすすめです♬

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