先日ツイッターでも書いていた黒柳徹子さんの「トットの欠落帖」、こんな時代だからこそ、お腹を抱えて笑いたいという方にぴったりの一冊だと思います。本当にユーモラスで、ユニークで、全力で今を生きている方なんだなぁ〜と笑い涙を流しながら、愛おしくなりました。些細なことで悩んだり、傷ついたりしながらも、自分を守っている彼女をみたら、私も自分のことをもっと大切にしなくちゃ、と。
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そもそもこの本の始まり
でも、私にとっては、一応、それなりの訳があるので、同じ欠落でも、正しく伝わってほしい。
そんなわけで、正しい、私の欠落を書いてみよう、と思いたち”トットの欠落帖”と、してみることにした。(p.11)
自分で自分の失敗エピソードを書いて、ましてや読者の笑いを誘うような本にするなんて大変な作業ですが、こんな背景があったようです。(ユニークすぎて)話が一人歩きしてしまうのは、なんとなく、わかる気はしますが(笑)
3〜5ページ程度の短いお話が沢山詰まっていて、どこから読んでも面白いし、興味のある項目から読むのも良いと思います。したがって、ストーリーを紹介しづらいのですが・・・さすが、交友範囲も広く、(今は亡き懐かしい)著名人が多く登場するのも見所。
「連続九通話」
向田邦子さんが登場する「連続九通話」
向田邦子さんの家には当時としてはまだ珍しい留守番電話があり、メッセージ一件につき1分という制限時間が守れなくて、結局9件もメッセージを入れてしまい、それがまるで舞台のようで、向田邦子さんも気に入っていたそうです。
「病院」
私の一番のお気に入りは「病院」
人間ドッグ検査の為に入院することになった黒柳さん。実はその病院の院長先生のことが大好きでした。大好き過ぎて、検査の為に提出する”落し物”をフランス製の香水のピンクの空箱に入れて、それにリボンをかけて、ピンクの封筒に入れてしまうという・・・(笑)それをいざ提出する時のシチュエーションを書いているのですが、もう、私の脳内ドラマが完璧に演出されるくらいコミカルでリアルなんです。声に出して大笑いしてしまいました。
ペンギン
デート中の黒柳さんが、都心で、バケツをかぶったとある動物をペンギンと間違えてしまうお話も収録されています(笑)ふふふ
結論
中身をレビューするのが難しい一冊ではありますが、オススメの読み方はちょっと元気がないなぁと感じる時、昼間ちょっと嫌なことがあった日、眠る前に読んだら、モヤモヤが少し小さくなるんじゃないかしら?そんな一冊。