どちらがより「適切」なのでしょうか。
私自身はデュッセルドルフの補習教室時代に「拝読致します」は二重敬語であり、それは誤りであると習ったのですが、それにしてもよく見かける表現だなと思い、改めて調べてみました。
意見は一致していない
結果として分かったことは、意見が一致していないということでした。私が習ったように「拝読」も「致す」も謙譲語であるから二重敬語となり、慇懃な印象を与えるから誤りであるとしているのに対して、謙譲語の中でも細かく分けると「拝~」と「致す」は違うから?(この辺はよく理解できておりません)組み合わせても誤りではないとするものがありました。
拝読の拝は文章を書いた著者に対して使うもの
調べていくうちに知ったのですが、「拝読」という言葉は「文章を書いた著者に敬意を表す」ものである為、例えば「先生から借りた本を読んだ」という文脈で「拝読しました」と書いても、先生には敬意を表していることにはならない、ということです。先生に対して敬意を表すなら「先生より拝借したご本を読ませていただきました」の方が寧ろ正しいのかもしれない、ということだそうです。
正当性よりも思いやり
私は「謙譲語」×「謙譲語」で二重敬語に感じてしまうのですが、その正当性を追求するのではなく、「拝読いたしました」をより丁寧であると受け取る人(ここで強調しておきたいのが、発信者がどう思うかよりも、受け取り手がそう感じることが大事であるということ。)が少なからずいる事実を知った上で賢く使い分けるのが適切なのではないかと考えを改めました。例えば、「拝読」という言葉を使わずに「読ませていただきました」と言い換えてもなんら問題はないわけです。
敬語って奥が深いです。目の前の人に敬意を表すのが目的なので、気持ちがこもっていることが何よりも大事ではありますが、それでも、基本的なことはできる限り「正しく」且つ「柔軟で適切に」使いこなせる自分でありたいなあと思います。難しいけど、それと同じくらい面白い。言語の醍醐味ってそこにあるんだろうなあ。
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ドイツ語にも敬語はある
余談ではありますが、ドイツ語にも敬語は存在します。2人称複数形「Sie」が丁寧な呼びかけであり、目上の人はもちろん、初めて会う人や、ファーストネームで呼び合わない程度の関係の大人に対して使います。
ただし、謙譲語や尊敬語のようなものは存在しません。これは日本語と韓国語特有の文化で日本語学習者にとって、頭の切り替えが非常に難しい高度な日本語になります。
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