日本の国立大学を出るには、ドイツの国立大学を出る2.5倍かかる?
先日より話題になっているお一人様(22)さんのTwitter投稿写真。卒業と同時に800万円以上の借金を20年近くかけて返済しなければならない人が他にも沢山いると知り、私は少なからずその金額の大きさにショックを受けました。何故ならば、偶然にも私も時を同じくして奨学金の返済通達があり、その額がお一人様(22)さんの12.5%に過ぎなかったからです。厳密に言えば330万円近くのお金はかかっているのですが、私が返さなくてはならない額はその30%程度なのです。一体どういう仕組みなのかを私のケースですが紹介します。
(※私が大学生だった時の話なので、現在は多少違うところもあるかもしれませんが、ご了承ください。)
卒業即借金827万5301円 pic.twitter.com/9LDofqIb0R
— お一人様(22) (@t090marco) 2015, 10月 21
私はドイツの高等学校のひとつであるギムナジウムを卒業し、ベルリンの国立大学に進学しました。母から仕送りはしてもらわずに3年+留学1年の合計4年間、BAföGから奨学金をもらいながら学生生活を送りました。ベルリンは物価が安いので、それだけでも十分な生活ができたのでアルバイトも単発で時々するくらい。
奨学金をもらうのに国籍は関係ない
日本学生支援機構と似たような立ち位置の(?)国の機関で、直訳すると「ドイツ連邦教育振興法」になります。受給対象者は「ドイツの大学に進学するのが自然な流れだよね」という人ですので、国籍は不問で、一定年数以上ドイツの高等学校に在籍していて、且つ卒業していれば問題ありません。ただ両親がドイツにいることも条件だったと思います。
日本の奨学金と違って、受給額を自分では決められません。両親や兄弟の収入に応じて変わるシステムです。私は月々550ユーロもらっていました。留学中は月に700ユーロちょっと。
返済開始時期は卒業から5年後・無利子・半額免除がデフォルト
更に違うところは、大学を卒業してから「5年後」に返済が始まり、「無利子で半分だけ」返せば良いことです。更に更に上限が10000ユーロと決まっているので、それ以上借りていたとしてもそれ以上の返済義務はありません。
私の場合、通達によると返済すべき額は12786ユーロですが、上限が10000ユーロなので、月々に105ユーロ返し続けると8年ほどで返済が終わることになるのですが・・・まだまだあるんです、すごいところが。
一括返済すると割引してもらえる
一括返済すれば特別割引で一気に返済額が減ります。私の場合、8503ユーロまで下がりました。ということは、12786ユーロの66.5%という計算になります。33.5%OFFですよ!でもね、まだまだあるんですよ・・・
成績優秀者上位30%に食い込むと最大25%免除してもらえる
早期卒業者も最大25%免除してもらえる
真面目に頑張っていれば、その努力はこういう形でも報われます。こちらは自己申告制で申請後に照査されます。私は今返信待ちなので運が良ければもう少し安くなるかも!なのです。(申請期限ギリギリなので受理されない可能性もあるのですが・・・^^;)
というわけで、まだ最終的な金額は出ていませんが、私はたったの8500ユーロの借金で4年間、生活の為にアルバイトをすることもなければ、仕送りをしてもらう必要もなく、自立して学業に専念させてもらえていたのです。ドイツ国籍でもなく、特別優秀なわけでもない極普通のドイツ育ちというだけの外国人である私にも税金を使って、投資をしてもらえたのです。しかも、これに加えてドイツで出生したすべての子供に支給される子供手当て(学生であれば26歳まで)や、留学中も別の奨学金がもらえたので自己負担額はほとんどないくらいでした。これって本当に凄いことだと思うんですよね。(大学生の待遇はとても良いと思いますが、教育システムが完璧かと言えば勿論そんなことはなく、長所短所いろいろあります。)
これだけ恵まれた環境でもやはり踏み倒しは多いみたいですが、有り難く使わせてもらったお金ですし、なにより無理しなくても返せる額なので一気に返しちゃおうと改めて思った次第。
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