【メモ】青少年交流事業の目的は知識を増やすことではなく、経験値の底上げをすること。

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ザクセン州ユースホステル協会と沖縄ユースホステル協会によるDeutsch-Japanische Jugendbegegnungこと、独日青少年交流に通訳として参加するようになって早くも三年目が終わりました。今年も楽しかったです。24時間体制の引率+通訳なので心身共に疲れはするのですが、なにせ良いチームなので毎日良い気分で眠りに就き楽しくやっておりました。

ご存知無い方が多いと思うので、簡単に説明すると・・・この交流事業には前半パートと後半パートがあります。

14~18才程度のドイツの参加希望者が、夏休み中二週間弱をエルツ山脈の麓にあるザイダという小さな街で過ごします。そこに同世代(11~16才)の日本全国(沖縄からの参加者が多い)からの参加者が合流して、共に夏休みを過ごすのが前半パート。ここでは日本文化や日本語についても学びますので、日本に向けての準備期間としています。

後半パートでは、ドイツの参加者が秋休み頃(州によって違うので学校を休んで来る子もいますが、ユースホステル協会の事業なのでレポート提出か、プレゼンをすれば公休扱いになるようです。)に2週間弱を沖縄(+東京で1日)で過ごします。夏休みに出会った日本の参加者とは直接の交流プログラムはほとんどないのですが、沖縄、または東京で再会できることが多いです。

三ヶ月の間で国境を越えて、うまく行けば二回も交流できるプログラムなのです。

ドイツでのプログラム内容

語学研修(日独両言語で自己紹介ができるようになります!)、ディスカッション(今年は原発賛成か反対かというテーマでした)、ハイキング、鉱山見学、ザイフェンの工芸(皆さんもご存知のアレです!)見学、湖で筏作り、ドレスデン観光・・・といった感じでしょうか。

日本でのプログラム内容

沖縄の自然に触れる(マリンスポーツ、ヤンバルにて沢登りなど)、沖縄の歴史に触れる(首里城見学など)、学校見学、伝統芸能体験もしくは海の生態レクチャー、一泊二日ホームステイ・・・大体こんな感じです。

東京では(参加者の希望で毎年変わる可能性が高いのですが)、都庁展望台、明治神宮、原宿竹下通り、渋谷と回りました。

ご覧の通り、修学も多少は兼ねていますが、特に日本においては堅苦しいものは省いています。三人以上のグループ自由行動も多いです。例えば、首里城に行っても、歴史はさらっと説明する程度であとは自由行動させてしまいます。「勿体無い!」と思う方もいらっしゃると思いますが、しかし、この事業の目的は子供達の「知識を増やす」ところにはありません。自己と他(異文化・他人)の交わり・衝突が狙いです。

この交流プログラムの第一責任者やインストラクターの言葉が例年以上に心に残ったので、忘備録として記しておきます。

「目的意識をもって参加することはとても大事なことだけど、これはJugengbegegnungという名前の通り、「出会い」であることを忘れてはいけない。要するに、これはキッカケに過ぎない。」

「中高生を子供扱いしてはいけない。ただし、まだ大人ではないのだから未熟な部分もあるし、過剰な期待や反応をしてはならない。」

「大事なのは自分から興味を持つこと。体験すること。挑戦すること。異質なものを受け入れること。それは日本の言葉や文化だけではなく、同じ言葉を話す他人でも同じ。そして同じ人間じゃないかと実感すること。」

「他人からすればなんてことない出来事かもしれないけど、それは本人にとっては革命的なことかもしれない。」

これがブレないから続いているんだな、と強く感じたのです。そう、我々は安全な旅行とキッカケを提供しているに過ぎず、それ以上のことは特にしてないわけです。思い上がっちゃなりません。

もちろん質問されれば話せることは沢山あります。興味を持っている子にとっては多少有益な情報もあるでしょう。ですが、それを皆の前で延々と話すのは自己満足でしかないし、そんなのがなくても、過去の参加者の中には日本留学を決めた子や自分のお金で日本旅行を計画実行した子が何人もいることを考えると、やはり、どれだけ五感で感じてもらえるかを考える方が大事なのかもしれないなぁと思うのでした。私たちは黒子なのだから。

日本サイドの参加者から感想を伺っても、感動するポイントは「言葉という壁を越えて、共同作業を終える」ところであったり、「意見の衝突もあるし、自分たちに解決できるような問題ではないけど、それについての意見交換した」ことであることが多いです。また、相手がどこの国の人だって、気持ちを共有できる人とはできるし、結局みんな同じ人間なんだと実感することが次に繋がっていくのだと思います。そういった経験を10代前半でできるのはラッキーだと思います。

個人的に私が残念だなぁと感じているのは日本サイドの高校生参加者が少ないことです。部活や受験の関係で2週間もドイツに行っていられないのだそうです。日本の高校生って確かに忙しいイメージはあります。夏休みの部活とか合宿は青春のひとコマ!って感じですが、一味違う夏休みがあっても良いんじゃないかな〜とも思ったり・・・。

来年も日本からの参加者を募集するはずですので、乞うご期待です。ドイツ語ではありますが、参考までにこちらのリンクを貼っておきます。今年の様子もご覧いただけます!

www.facebook.com/JugendbegegnungJapan