ドイツ語と英語は似てる?違いを6つ挙げてみた【ドイツ語基本|文法】

Hallo! 綿谷エリナ(ellina0817)です。

「ドイツ語と英語って似てる?」とよく聞かれるのですが、文法的にはそれほど似ていないと思います。確かに、音の響き(単語)は似ているものも多くあります。この記事ではドイツ語と英語の大きな違いを6つ挙げてみました。

 

目次

①ドイツ語の方が語順の自由度が圧倒的に高い

英文法の基本=SVOと習いますよね?通常ならOVSなんて語順は使わないと思います。ところが、ドイツ語は、『動詞が二番目』という基本的ルールを守ればかなり融通が利きます。ちなみに『副文は動詞は一番最後』です。

②名詞に性別がある

多くの欧州の言語には、名詞に性別があります。ラテン系言語(イタリア語・スペイン語・フランス語など)では性別も一致していることが多いのですが、ドイツ語はその限りではありません。

例えば、チョコレート。

ドイツ語では「die Schokolade」と女性名詞ですが、フランス語では「le chocolat」と男性名詞です。名詞の性別の覚え方にいくつかのコツはありますが、実はドイツ人も感覚で覚えていくので、残念ながら絶対的なルールはありません。

③格変化&格支配がある

そもそも格って何?思われる方もいらっしゃると思いますが・・・日本語の「てにをは」のようなものです。日本語とは考え方のロジックが少し違うので、違和感を感じることも多いと思いますが、大抵の動詞はどの格とセットなのか決まっているので、セットで覚えてしまうのがオススメです。

例えば「誰かに電話をかける」は「jemanden anrufen」なので、直訳すると”誰かを”電話するになってしまいます。しかし、これは、動詞のrufen(=〜を呼ぶ)が4格とセットなので、anrufenも同じなんだなと覚えると良いと思います。ドイツ語は、単語の積み重ねが多いのでベースの単語をしっかりやれば学習速度を上げられると思います。

ちなみに、ドイツ語には全部で4つの格があり、それぞれ役割があります。これを私は擬人化して考えているので、近いうちの記事化しよう思います。

④動詞に人称変化がある

英語にも三人称単数にSが付きますが、ドイツ語では1〜3人称単数複数で合計6種類マスターしなくはなりません。ちなみに、英語以外の多くの欧州言語も人称変化があります。

グッドニュースは、他の欧州言語と比べると、例外が数パターンしかないので、覚えるのがそれほど大変ではないこと。(フランス語やスペイン語に関しては、初期に習う動詞の半分が例外じゃん・・・と思っておりました。笑)

資格試験を控えてらっしゃる方は、反復練習するのが一番の近道なので、動詞の人称変化練習シートがあると便利ですよ!

⑤日常的に使う時制が少ない

教科書的なドイツ語の時制は「現在・過去・未来・現在完了・過去完了・未来完了」の6つなのですが、実際の生活では「現在・現在完了」の2つでほぼ事足りてしまいます。時間軸の捉え方がゆるりとしているので、英語と比べると圧倒的に楽です。

例えば、英語では「yesterday」を含む文章では現在完了形が使えません。ドイツ語では、過去形でも現在完了形でも両方「gestern」を使うことができます。もっとも、過去形で話すことはあまりないと思います。

というのも、現在のドイツ語において過去形は、童話や絵本の物語などで主に使われる時制なので、随分昔のことを話しているような感覚になりやすいのです。したがって、「Ich ging gestern ins Kino.(私は昨日映画館へ行った)」は間違いではありませんが、「Ich bin gestern ins Kino gegangen」という人の方が多いでしょう。

もちろん、普段から過去形を使う動詞もあります。それは「状態を表す動詞」で、「そこに(なんらかの状態で)いる・ある」事柄は、現在完了形では表現にくいからです。代表的な動詞は「sein」、英語でいうbe動詞です。

先述の文とほぼ同義で使われる「Ich war gestern im Kino(私は昨日映画館にいた)」は、「Ich bin gestern im Kino gewesen」とも言わないこともないですが、過去形の方がよく使われます。

⑥単語が組み合わせ・積み重ねでできている

英語の難易度は、語彙数に依るところがかなり大きいと思っています。高度な英語になればなるほど、ラテン語やギリシャ語由来の単語も多くなりますよね。ドイツ語にもその傾向はもちろんあるのですが・・・ドイツ語は組み合わせや積み重ねで新しい意味を生み出していく言語なので、ベースとなる単語の数が少ないんです。だから、単語が長くなってしまうんですけどね(笑)(だから、略語も多い!)

私が好きな長い単語のひとつに「Mietschuldenfreiheitsbescheinigung(=家賃未滞納証明書)」という不動産用語があります。34文字9音節!!略してMSFB。

Mietschuldenfreiheitsbescheinigung
ミートゥシュルデンフライハイツベシャイニグング
家賃負債フリー証明書

こんな感じの構成になっています。分解すれば意外と簡単でしょう?ドイツで家を借りたい時に提出する書類のひとつです。前の家主さんに一筆書いてもらうお手紙のようなもので義務ではないのですが、無いよりはあった方が良いもの。

ちなみに、こういう合体型の名詞の性別はどうなるのかというと・・・一番最後の単語の性別に合わせます。それがベースとなる単語だからです。これも覚えておくと便利なドイツ語文法ハックのひとつかも?

それでは、引き続き楽しいドイツ語学習を〜♪

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この記事を書いた人

ドイツ生まれ・育ちのラジオパーソナリティー ・マルチリンガルMC ・通訳。27歳で日本に移住。現在TOKYO FM・JFN・NHK Eテレ(「旅するためのドイツ語」)にレギュラー出演中。

今までに勉強した言語は、日本語・ドイツ語・英語・ラテン語・フランス語・スペイン語・韓国語・中国語の8ヶ国語。

ペンギン・猫・映画 ・DIY・どら焼きが好き。

FM BIRD所属。

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